Vol.17(2022年7月号)猪肉

島の猪が生む新たな循環のカタチ

環境や餌をコントロールできないことから「ジビエ肉に地域差は生まれにくい」と一般的に言われている。
しかし、大三島は柑橘の産地のため猪たちが狙う作物の多くが柑橘となることで肉質に旨味が増し、美味しさに繋がっている。
図らずして生まれた他地域との違いだ。

この活動を行っているのは「しまなみイノシシ活用隊」。
代表の渡邉秀典さんは大三島出身の柑橘農家。
猪の被害により自分の農地だけではなく、高齢の柑橘農家が廃業を早めてしまうという現状を目の当たりにし、活動を始めたという。
また、猪の捕獲だけではなく、それらを加工して付加価値を付けて販売することで島内の雇用を生み出しました。
「人間が被害者で野生鳥獣が加害者という関係にしてはいけない、命をいただく以上僕たちにはそれらを無駄にしてはいけないという責任がある」と語る渡邉さん。
島を取り巻く環境と、循環する仕組みづくりの裏側を覗く。

(特集:愛媛県今治市大三島「しまなみイノシシ活用隊」の猪肉)