日本屈指の水揚げ量と品質を誇る下灘の鱧(はも)
新たな価値で日本の食文化を変える
「鱧」と聞いて、思いつくのは京都の祇園祭や大阪の天神祭だろうか。初夏と晩秋に旬を迎える鱧は、夏の風物詩として関西圏で長く親しまれてきた魚だ。
実は、愛媛県は代表的な鱧産地。特に伊予市双海町下灘地区の「豊田漁港」は、単一漁港として全国一を争う水揚げ量を誇る。にもかかわらず、県内でも鱧が地魚であることはあまり知られておらず、鱧の美味しさに触れる機会も多いとはいえない。
今回は「下灘の鱧を知って、もっと身近に味わってほしい」という若手漁師たちの思いと、加工販売を担う北風鮮魚の新たな漁法の提案により、“関西の魚”から“全国の魚”へと変貌を遂げようとしている下灘の鱧の挑戦をひも解く。