最果ての地で続く伝統の一本釣り漁
次の100年に向けて歩を進める
黒潮本流が接岸する全国唯一の場所、高知県土佐清水市は、大正時代から100年以上漁師と鰤の戦いが続く漁場だ。漁を担っているのは、足摺岬釣鰤組合の漁師たち。彼らが一本一本釣り上げた鰤は、船上ですぐに締めることで鮮度も抜群だ。
長らく続いてきた伝統漁法は、いま存続の危機に瀕している。担い手不足や燃料代の高騰など、その理由を挙げればきりがない。それでも彼らが毎日漁に出るのは、脈々と続いてきた伝統を無くしてはならないという使命感があるから。
今回は、逆境のなか思いを同じくする人たちとの出会いをきっかけに、次の100年に向けて動き始めた足摺岬の鰤の一本釣り漁を追う。